第1部 HTMLとは何だったのか
第1部の役割は、HTML を「タグの集まり」ではなく、文書共有の問題に対する解として見直すことです。ここで扱うのは、HTML の歴史的な出発点と、その設計対象です。ブラウザの補完やエラー回復の話はまだ扱いません。それらは第2部でまとめます。
第1章では、HTML がプログラミング言語ではないことを確認します。第2章では、HTML が何を解決したかったのかを CERN(欧州原子核研究機構)の文脈から見ます。第3章では、なぜ Web が PDF やワープロ文書ではなく HTML を中心に育ったのかを整理します。ここで土台を置いておくことで、後の章で出てくる「なぜそんなに寛容なのか」という疑問に答えやすくなります。